芸人さん考
昭和30年代、年の離れた末っ子の私は、母に連れられて卸し問屋さんの招待で道頓堀の角座、中座、梅田コマによく行った。生でミヤコ蝶々さんも間近で見た記憶も残っている。テレビでは二代目渋谷天外さんや藤山寛美さんが出ておられたし、大村崑さんや芦屋雁之助さんも未だ売り出し中の若手だった。子供の目には、ドラマのストリーは良く理解できなかったが、その軽妙な言い回しや演技は充分笑いを誘う「芸」だったし、その存在は日常性を離れた「芸人さんワールド」だった。私は、おそらくこの過程を通して、家内言うところの大阪人気質が形成されたと思う。藤山寛美さんは後に多額(庶民には天文学的数字)の借金問題を起こされたが、見事本業の「芸」で借金を返済された。死のギリギリまで「上方芸人」藤山寛美を全うされた。
芸人さんは非日常の存在だからこそ、お金を払ってもその芸を見たり聞いたりするものと思う。今日のお笑いタレントさんの生活保護受給に対する謝罪会見のニュースを見ていて、あまりの日常の生活臭(誤解覚悟で言えばいじましさ)に少々うんざりした。大阪から芸人さんが消えて、タレントさんしか居なくなってきたと寂しい思いがした。


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